「今の仕入れ先と交渉することと、他に良い仕入れ先があるかどうかの 二本立てでやってみよう。会社勤めをしていたときと、仕事の面白さが全く違うね。 他人の仕事をしているか、自分の仕事をしているかの違いは当然だけれど、 こんなに遣り甲斐があるんなら、もっと若いときから自分でやるんだったよ」 「それも儲けが出てるうちだけよ。お客が来なくなれば、 会社勤めの方が良かったなんて思うものよ。この店を始めた頃は、 お客が来なくて、会社勤めのときが良かったなんて思ったでしょう」 「そうだね。それに体力と根気かな。これがなければ何をやっても駄目だからね」 「そうね。基本は体力と根気と、それに知恵よね。これくらい 働いていれば会社勤めを続けていても昇進して、高い収入を貰えたかもしれなかったわ。 でも自分で稼ぐ喜びは勤めていては解らないからね」 「そうだね。明日も早いから帰って、ビールでも飲んで寝ますか」 疲れがひどいときには店で寝ることもあるけれど、彼女のマンションが 俺達の住まいだ。 同棲ということだが、彼女とは人生のパートナーとして 連れ添って生きていくつもりだ。 妻と子供には生活費として毎月20万円 を渡しているし、住んでいる家だってそのまま残すつもりでいる。 子供の教育費も別に払うつもりだから、どうか俺のことを許して欲しい。
俺の人生で大切なこと 前のページ 次のページ