彼女にパンツを渡し、前後を間違わないように持たせ、自分ではかせる。
Tシャツも自分で着れるようになった。スカートも自分ではける。
嬉しくて彼女を車に乗せてレストランに行く。彼女の好きだった
ピザとコーヒーにサラダを二人前注文する。
ピザと言えばピザと真似し、
コーヒーと言えばコーヒーと繰り返す。
俺がピザにタバスコをかけて食べると、
彼女も真似をする。
コーヒーにミルクをたっぷり入れるのは昔の侭だ。
フォークで野菜サラダを食べるのも、ぎこちないが自分でできる。
フルーツ・パフェも注文して、二人でスプーンを使って食べ、
彼女の口をオシボリで拭いて店を出る。
赤ん坊が徐々に育ち、ハイハイができるようになり、歩き始めるように
彼女も回復する。
六か月後、仕事を終え マンションに戻る。
「ご飯の炊き方は、水の量に注意するだけでいいんだ。
後はこのスイッチを入れるだけ」
「解ったわ。味噌汁は私が作ってみる」
「味噌は最後に入れるんだよ。味噌を入れてグラグラ煮詰めると
風味が消えちゃうんだから」
「解ったわ」
「食事の支度もできるようになったね」
--- 完 ---
