「ただいま」 「お帰りなさい。遅かったのね」 「ああ急に飲み会があってね。疲れたから風呂に入って寝るよ」 お湯に浸かりながら歯を磨き、冷蔵庫の中の冷たい麦茶を飲んだ。 目が醒めたのは、隣の布団に女房が入ってくる音のせいだった。 寝たふりをしていると、私の布団の中に足を入れてくる。 私の体温が暖かいからと、結婚したときから寝る前にする行事だ。 寝たふりを続けていると、女房も何時の間にか寝てしまったようだ。 弥生さんのことを思い出すと目が冴える。 女房と子供達はどうするのか。 こうして生活してれば不自由は無いのに、この平和な生活を壊そうとしている 自分がいる。 好きな人ができたから別れたいなんて言えるのか。 離婚をしてまで他の女性のところに行きたいかと子供に聞かれたら何と答えるか。
俺の人生で大切なこと 前のページ 次のページ